横須賀海軍カレーレトルトで、日本カレーの源流をお楽しみ下さい!

日本人がこよなく愛する料理の一つに挙げられるのが、カレーライスと呼ばれるメニューです。
当然ながらカレー自体はインド生まれの料理ですが、明治時代に日本に紹介されて以来、独自の進化を遂げ、今や各家庭でオリジナルのレシピがある程に浸透したこのメニューは、最早日本食の一部と考えても差し支えはないでしょう。
これまでも当ブログでは、札幌のスープカレーに、函館カレー、金沢カレーなどをご紹介して参りましたが、ここで避けては通れないのが、「横須賀の海軍カレー」ということになるでしょう。
そこで本日は、「横須賀海軍カレーレトルトで、日本カレーの源流をお楽しみ下さい!」と題して、海軍カレーの発祥と、その絶品お取り寄せ品をご紹介させて頂きたいと思います。
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海軍カレーの発祥
皆様も既にご存じのこととは思いますが、カレーはあくまでもインド発祥の料理となります。
そのカレーが日本に伝えられたのは、明治時代のこととなりますが、実はこの料理、インドから直接輸入されたものではなく、当時日本が同盟関係にあったイギリス、それもイギリス海軍からもたらされたメニューだったのです。
詳しくは過去の記事でもご説明していますが、当時のインドはイギリスの植民地であり、そこで食べられていたカレーがイギリスの海軍食にメニューとして取り入れられます。
ただ、海の上でインド風のシャバシャバカレーは直ぐにこぼれてしまうため、とろみが付けられるようになりましたが、このイギリス海軍式カレーを日本がお手本としたため、我が国のカレーはネットリとしたものが主流となっているとのこと。
では何故、日本はイギリスの海軍食を参考にしなければならなかったのでしょう。
実は当時(明治時代)の日本海軍、ある病で多くの兵隊が命を落としていました。
その病とは「脚気(かっけ)」であり、時折ドラマなどで目にする、医者がトンカチで膝を叩くあの病気です。
その名前から、「大したことのない病気」の様にも思えますが、実は非常に危険な病であり、歴史上の人物も数多く命を落としています。
脚気の原因は、ビタミンが欠乏することによるもので、悪化すると心不全などを起こし、あっと言う間に患者の命を奪ってしまうのです。
特に海軍では長期間の航海が必須となり、保存技術の未発達な当時は食事もワンパターンになってしまうのが当然。
こうした要因から、多くの日本海兵が脚気により命を落としていたのです。
この事態に軍部は、簡単に調理が可能で栄養バランスの良いメニューの開発を余儀なくされます。
そこで白羽の矢がたったのが、多くの野菜を一度に摂取することの出来るカレーであったという訳です。
また、カレーの材料は和食の「肉じゃが」とほぼ同じとなりますから、同じ材料で2種類のメニューが作れる点も、カレー導入への動機の一因となった模様。
今も受け継がれる海軍カレー
さて、こうして海軍のメニューに正式に組み込まれることとなったカレーですが、その食味の良さが好評を博し、陸軍においても食されるようになっていったといいます。
また、航海の途中でカレーを食べるという風習は、現在の海上自衛隊でも引き継がれており、現在では各部隊毎にそれぞれのレシピが誕生しているとのこと。
近年では、自衛隊のホームページ上で、一部のレシピが公開され、好評を博するなど、海軍カレーの系譜は今なお脈々と受け継がれているようです。
なお、海軍に取り入れられたカレーは、その後民間人の間にも流布。
明治期に発行された料理本などを見ると、そのレシピは明らかに海軍式のカレーを踏襲したものとなっていますから、海軍カレーこそが、日本のカレー文化の源流となったことに疑いはないようです。
さて、この様なお話をしていると、是非この海軍カレーの味を試してみたくなって来ますよね。
そこでご紹介したのが、横須賀海軍カレーの元祖とも呼ばれる魚藍亭さんが製造されているレトルト商品となります。
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魚藍亭の海軍カレー
近年、様々な地域で海軍カレーと称される商品を見掛けますが、このトレンドの発端となったのは、横須賀市で発生したムーブメントでした。
実は明治期、最初に海軍へカレーを導入したのは「横須賀鎮守府」という横須賀に置かれた軍の機関であり、この史実を横須賀の街興しに利用することとなったのです。
そしてこの目論見は見事に的中し、横須賀海軍カレーブームが発生。
やがて過去に海軍が置かれていた地(広島の呉など)へも、ブームが波及して行くのでした。
なお、この横須賀の街興しにおいて、明治時代のカレーの復刻を請け負ったお店というのが、本日ご紹介する商品を製造しておられる「魚藍亭」さんとなるのです。
この様に、名実共に「元祖横須賀海軍カレーの店」となった魚藍亭は多くの観光客で賑わう人気店となっており、これまでの店舗に加えて「よこすか海軍カレー館」なるお店までも開店してしまう程の大盛況を博することとなって行くのでした。
本日ご紹介の商品は、そんな魚藍亭がお土産用として販売されているレトルト商品となり、その抜群の食味で高い人気を博している逸品なのです。
さて実際にその味を確かめてみれば、一口頂いた瞬間、非常に香ばしい「焦がし小麦」の香りが口内に広がって行きます。
また、じっくりと咀嚼して行く内に、丹念に煮込まれた野菜や、出汁味がグイグイと浸み出して来る後引く一品に仕上げられており、口に運ぶスプーンを止めるに止められない、クセになる味わいが特徴となっているのです。
日本のカレー文化の源流とも言える、懐かしくも斬新な味わいの一杯を、この機会に是非ともお試し頂ければと思います。

魚藍亭海軍カレーについて管理人より一言
横浜の大学に通っていた関係で、横須賀方面に足を延ばすことも多かった管理人。
その当時から、横須賀の街ではあちらこちらに、「横須賀海軍カレー」の文字を見掛けてはいました。
それ故に、何軒かはその味を確かめていたのですが、確かに美味しいものの、特段の目新しさはなく、これまで特に食指を動かされることはありませんでした。
しかし、ある友人に紹介され、再び横須賀カレーにチャレンジしてみたところ、これまでに味わったことのない白眉なる美味しさに、心奪われてしまったのです。
その際に食べたのが、本日ご紹介の「魚藍亭」さんの一品であり、焦がし小麦というオーソドックスなスタイルながら、非常に味わい深く、後を引く美味しさに魅了されてしまいました。
以前、五島軒さんのカレーをご紹介した際にもお話致しましたが、「懐かし系のカレー」は一歩間違うと、非常に間の抜けた味になってしまうのですが、その一歩を上手に踏み出したものは、とんでもなく美味しい仕上がりとなるのが特徴。
そしてこのカレーは、確実にその難しい一歩を見事に踏み出している逸品であると思います。
懐かしいのに新しい、日本カレーの始祖を是非一度、お試し頂ければ幸いです。
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出典 活魚料理 魚藍亭